今回は神社の鳥居について徹底解説いたします!
- 鳥居の意味と由来は?
- 鳥居に種類ってあるの?
- 鳥居のくぐり方は?
- 鳥居の各部分の名称は?
写真を使ってできるだけ分かりやすく解説できればと思います。
お寺にはない?神社の鳥居とはなんだろう
お寺にあって神社にないもの、それは鳥居(とりい)です。私たちのいる俗界と神のいる聖域を区切る境界線の役割を果たしています。
鳥居の起源には諸説あり
古代インドの塔門(トラーナ)に形が似ている?
仏教遺跡の大塔(スツーパ)の入り口にある石造の角柱門が鳥居とよく似ています。
中国の華表(かひょう)から派生?
中国の門柱のことを日本では「華表」と呼びます。家門の前に建てられますが、形は一本の柱だけなので似てはいません。
「鳥居」の語源(由来)について
神社へ「通り入る」ことから由来?
「鳥居」の語源は、境内へ「通り入る」から来ているという説もあります。
天岩戸伝説から由来?
天照大神が岩戸へ御隠れになった時、鶏を横木に止まらせて鳴かせた伝説。「鶏栖(とりい)」「鶏棲木(とりすぎ)」から来ているという説です。
「陰陽説」より由来?
江戸時代の神道書『神道名目類聚抄(しんとうみょうもくるいじゅうしょう)』によると、「鳥居は陰陽交感の表なり」とあります。左の柱は男性、右は女性、鳥居そのものは女陰を表すとのこと。
鳥居の種類はたくさん!大まかに解説
一般的な鳥居の解説のため、諏訪大社上社本宮を例にサクッと描いてみました。だいたい鳥居というとみなさんこのような姿を思い浮かべるのではないでしょうか?
鳥居の種類は大きく分けて「神明系」と「明神系」の2つ!
鳥居を大雑把に分けると、島木の有無によって2種類となります。
- 島木がない:神明(しんめい)系
- 島木がある:明神(みょうじん)系
さらに2種類の中にも細かく分かれます。
神明系
- 黒木鳥居:鳥居の原型・最古の形式(例:野宮神社|京都市)
- 靖国鳥居:黒木鳥居に似ているが笠木が半円形(例:靖国神社|東京都)
- 神明鳥居:靖国鳥居に似ているが笠木が五角形(例:伊勢神宮|三重県)
- 内宮源鳥居:神明鳥居と同じだが、笠木の端が斜め(例:大元宮|京都)
- 鹿島鳥居:貫が柱を突き出る(香取神宮|千葉)
- 宗忠鳥居:鹿島神宮に似ているが柱が内向き、額束と亀腹がある(御霊社|京都)
明神系
- 春日鳥居:笠木(五角形)の下に島木が入る(春日大社|奈良県)
- 八幡鳥居:春日大社に似ているが笠木の端が斜めに切れている(国懸神宮|和歌山県)
- 明神鳥居:笠木と島木が曲線、端が斜めに切れている(諏訪大社|長野県)
- 中山鳥居:明神鳥居が変形、貫が柱より出ない(中山神社|岡山県)
- 山王鳥居:額束が笠木・島木を貫き上方へでる(日吉大社|滋賀県)
- 両部鳥居:明神鳥居に稚児柱を建て、控え貫2本で繋ぐ
細かく全てを説明するのは難しいので詳しくは参考にしている本を見ていただければと思います!最後にご紹介しますね。
鳥居はくぐってはいけない?正しいくぐり方は?
脱帽し、乗り物からも降りてくぐりましょう
神様のいる聖域へ入るため、帽子は脱ぎ、自転車などの乗り物からも降りてくぐりましょう。昔のお殿様でも、馬からは降りて参拝したそうです。
鳥居の左側を左足でくぐりましょう
次にどこを歩けば良いのか。真ん中は神様の通る道(正中)だとされているのでできるだけ避け、左側を歩きましょう。帰りも左側を通れば、参拝客同士ぶつからずに進めますね。
くぐるときには一礼(一揖)を忘れずに
入るときと出るときには一礼をするのが作法。神道では一揖(いちゆう)といいます。
伊勢神宮は特別!外宮と内宮で歩き方が逆になる
ただし伊勢神宮・内宮だけは「右側通行」になるのでお間違いのないように!外宮は左側通行です。
低すぎる注連縄(しめなわ)の意味は?
「この先進入禁止」とでも言わんばかりの低すぎる注連縄(しめなわ)。一説には「境内へ入るときに自然と頭を下げさせるため」という意味もあるようです。
飯山市の彦神別神社と若宮八幡神社では、お祭り当日に神楽が刀で注連縄を切り落とす演出があるそう。そのため注連縄をわざと目の高さほどに張っているとのこと。
由来や意味はまだ諸説ありそうです。
【神社の鳥居】まとめ
神社の鳥居についてできるだけ分かりやすく解説いたしました。いつも慣れないことをすると、作法やマナーなど気になってしまいますよね。
参拝の参考にしていただければと思います。
今回参考にした本は2冊。どちらも勉強になるのでオススメです!