今回は「八幡」についてご紹介します!
八幡神(やはたのかみ・はちまんしん)はお稲荷さま、お伊勢さまなどと並んで全国に数多く祀られている神さまです。分祀の数は三万とも四万ともいわれ、お稲荷様に続いて全国第二位。
- 八幡神社ってなに?
- 八幡さまってだれ?
- どんなご利益があるの?
- 全国の有名な八幡神社は?
この辺りの疑問に出来るだけ分かりやすく答えていければと思います!
八幡神社・八幡宮とは?
八幡さまは誉田別命=応神天皇?
八幡さまこと誉田別命(ホンダワケノミコト)は、応神天皇の名前で知られています。応神天皇といえば、歴史的に実在した最古の天皇ではないか、と考えられています。「応神」という名前は死後につけられた送り名であるため、生前の名前である「ホンダワケ命」で祀られていることも多いのです。
ただしいつ頃から八幡神と誉田別命が結びつけられるようになったかは定かではありません。古事記によると、応神天皇は筑紫国(現在の福岡県)出身。優れた治世を行い、死後に八幡神として信仰されるようになりました。
仏教とも関わりの深い「放生会」
八幡信仰は、神仏習合により仏教と深く結びついた時代がありました。八幡大菩薩と称されることもあります。仏教の不殺生に基づく儀式「放生会(ほうじょうえ)」もその名残。
宇佐神宮では八幡神自ら出兵し、打ち取った種族・隼人(はやひと)の霊を慰めるために、生き物を放って供養したことが由来だとされています。その他各地の八幡神社でそれぞれの放生会が行われています。
八幡神社のご利益は?武士から庶民の神様へ
源氏をはじめ「武神」としても信仰が篤い
元々は北九州の豪族・宇佐氏の氏神として宇佐神宮に祀られていました。中世、源氏の氏神となったことにより武家の間で信仰が集まり、「武神」「弓矢の神」として全国各地に拡がっていきました。
現在では教育や交通安全など所願成就の神さまに
武神として讃えられた八幡神ですが、平和を願う現代ではすっかり庶民派の神様に。交通安全や健康、所願成就のご利益があるとされています。
【建築】八幡造は神と人間の世界を隔てる
八幡造の成立は平安時代。前面に人間の空間(仏寺でいう外陣)、奥に神の空間=神殿(仏寺の内陣)という2つの空間が存在します。
総本社は大分県の宇佐神宮
八幡信仰の総本社は、大分県の宇佐神宮です。宇佐氏の氏神さまとして祀られていました。宇佐八幡とも呼ばれています。
【有名な八幡神社】日本三大八幡宮
日本三大八幡宮は、京都の石清水(いわしみず)八幡宮、福岡の筥崎宮(はこざきぐう)、神奈川の鶴岡(つるがおか)八幡宮などが挙げられます。他にも書籍によっては「宇佐神宮、石清水八幡宮、鶴岡八幡宮」とするところもあったり、「石清水八幡宮、筥崎宮、誉田(こんだ)八幡宮(大阪)」とするところもありました。
宇佐神宮以外の有名な八幡系を3つご紹介いたします!
【京都】石清水八幡宮
京都の石清水八幡宮は、平安時代に総本社の宇佐神宮より勧請されました。平安京の王城鎮護の神社として裏鬼門に建てられています。
【福岡】筥崎宮
福岡の筥崎宮(はこざきぐう)は筥崎八幡宮とも称し、平安時代の中頃に建立されたとされています。
【神奈川】鶴岡八幡宮
鎌倉時代、源頼朝により石清水八幡宮から勧請された鶴岡八幡宮。
【八幡神社】についてサクッと紹介してみました
全国四万ともいわれ、私たちの身近にある八幡神社についてサクッと紹介してみました。時代とともにご利益が変化し、仏教とも深い関わりを持つ八幡さま。深く調べると面白いですよね。
今回参考・引用した書籍は以下の通り。気になる方はぜひこちらもご覧ください!
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